○道志村成年後見制度における村長による審判の請求手続及び成年後見制度利用支援事業実施要綱
令和3年3月1日
訓令第14号
(趣旨)
第1条 この要綱は、道志村長(以下「村長」という。)が、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2に規定する審判の請求(以下「審判請求」という。)の手続き等を定めるとともに、審判請求に伴う費用の助成又は負担、及び後見開始、保佐開始又は補助開始の審判を受けた者(以下「成年被後見人等」という。)の成年後見人、保佐人及び補助人(以下「後見人等」という。)の報酬の助成に関し、必要な事項を定めることを目的とする。
(審判請求等の対象者)
第2条 審判請求及び支援の対象者は、認知症高齢者、知的障害者又は精神障害者であって、村内に居住する者、又は村外の施設等へ入所、入居等に伴って転出した者で、介護保険法(平成9年法律第123号)の規定による保険者(その他法令の規定による措置者、保護及び援護の実施機関含む。)以下「保険者等」という。)が道志村になっている者であって、次のいずれにも該当する者(以下「対象者」という。)とする。ただし、道志村に居住する者で、村内の施設等への入所、入居等に伴って転入した者で、保険者等が道志村以外の市区町村になっている者は、審判請求及び支援の対象者としないものとする。
(1) 事理を弁識する能力が不十分なために、日常生活を営むのに支障がある者又は家族等から虐待を受けている者
(2) 審判の請求を自ら行うことが困難である者
(3) 配偶者及び2親等以内の親族(以下「親族等」という。)による保護又は審判請求が期待できない者。ただし、2親等以内の親族がいない場合において、3親等又は4親等の親族であって審判の請求をする者の存在が明らかであるときはこの限りではない。
(4) 福祉サービス等を利用する必要がある者で、福祉サービス等を利用することにより福祉の増進が期待できる者
(審判請求の種類)
第3条 審判請求等に係る種類は、次に掲げるとおりとする。
(1) 後見開始の審判(民法(明治29年法律第89号)第7条関係)
(2) 保佐開始の審判(民法第11条関係)
(3) 保佐人の同意権の範囲を拡張する審判(民法第13条第2項関係)
(4) 補助開始の審判(民法第15条第1項関係)
(5) 補助人に同意権を付与する審判(民法第17条第1項関係)
(6) 保佐人に代理権を付与する審判(民法第876条の4第1項関係)
(7) 補助人に代理権を付与する審判(民法第876条の9第1項関係)
(審判の請求の依頼)
第4条 次に掲げる者は、対象者が後見人等を必要とする状態にあると判断したときは、後見等請求の審判の請求を村長に依頼することができる。
(1) 民生委員
(2) 本人の日常生活の援助者(親族等を除く。)
(3) 老人福祉法第5条の3に規定する老人福祉施設の職員
(4) 介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第1項及び第2項並びに第115条第46項に規定する居宅サービス等の職員
(5) 障害者自立支援法(平成17年法律第123号)第5条第12項に規定する障害者支援施設の職員
(6) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院又は診療所の職員
(7) 地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項に規定する保健所の職員
(8) その他福祉に関する施設の職員等で村長が適当と認める者
(調査の実施)
第5条 村長は、第4条に規定する者から村長による審判請求の依頼があったときは、本人に面談等を行い、次に掲げる事項を調査するものとする。
(1) 本人の判断能力の程度
(2) 本人の生活状況、健康状況及び精神状況
(3) 本人の親族等の有無及び親族等による保護の可能性
(4) 親族等が審判の請求を行う可能性
(5) 村長が親族等に代わって審判の請求をするべき事由の有無
(6) 本人の福祉サービス利用の必要性及び利用した場合における保護の効果
(審判請求の決定)
第6条 村長は、第5条に規定する調査の結果、次のいずれかに該当する場合は、審判請求を行うものとする。
(1) 本人に親族等がいないとき。
(2) 本人の親族等が文書により審判の請求をしない旨を村長に申し入れた場合で、本人の状況を考慮し、村長が審判請求をする必要があると判断したとき。ただし、明らかに文書による申し入れが困難な事由があると認められる場合は、この限りでない。
(3) 本人に親族等がいる場合で、本人において当該親族等からの虐待の事実が確認れ、村長が審判請求をする必要があると判断したとき。
2 村長は、本人において緊急やむを得ない事情が生じ、必要があると判断したときは調査を省略し、審判請求を行うことができるものとする。
3 村長は、前2項の状況等に基づき村長による審判請求可否の決定を行うものとする。
(審判請求手続)
第7条 審判請求に係る申立書、添付書類及び予納すべき費用その他の手続きは、家庭裁判所の定めるところにより行うものとする。
(財産の保全処分)
第8条 村長は、審判請求を行う場合において、本人の財産の保全のため特に必要があると認めるときは、村長による審判請求と同時に家事事件手続法第106条の規定に基づく審判前の保全処分(以下「保全処分」という。)の申立てを行うことができるものとする。
(申立費用の助成又は負担)
第9条 村長は、対象者次のいずれかに該当するときは、審判請求に係る費用又は村長による審判請求に係る費用(第8条に規定する保全処分に係る費用も含む。)(以下「申立費用」という。)に対しそれぞれ助成又は負担するものとする。
(1) 申立費用の全部又は一部の支援を受けなければ、成年後見制度の利用が困難な状況にある場合
(2) 生活保護法(昭和25年法律第144号)第6条に規定する被保護者(以下「被保護者」という。)である場合
(3) その他村長が必要と認める場合
2 前項の規定により村長が助成又は負担する場合は、あらかじめ申立費用を支出することができるものとする。ただし、本人が負担すべき特別な事情があると判断するときは、審判により選任された後見人等に当該費用を請求できるものとする。
(申立て費用の請求)
第10条 前項の規定により助成金の交付の決定の通知を受けた者は、成年後見等審判請求費用助成金交付請求書(様式第3号)により村長に請求するものとする。
(後見人等の報酬助成)
第11条 村長は、成年被後見人等が次のいずれかに該当するときは、後見人等の報酬について助成するものとする。ただし、後見人等が成年被後見人等の配偶者、直系血族又は兄弟姉妹の場合は対象外とする。
(1) 報酬の全部又は一部の助成を受けなければ成年後見制度の利用が困難な者。
(2) 被保護者である者。
(3) 前2号に掲げるもののほか村長が認める者。
(助成金の額)
第12条 前条に規定する助成金の交付の対象となる費用は、成年後見人等に対する報酬付与の審判で決定された報酬の全部又は一部とし、支援対象者の生活の場が在宅にあっては月額28,000円、施設等入所中にあっては月額18,000円を助成の上限とする。
2 前項の申請書の提出期限は、家事審判法(昭和22年法律第152号)第9条第1項甲類第20号の報酬付与の審判の決定のあった日の翌日から起算して60日以内とする。
(成年後見人等の報告義務)
第16条 交付決定者の成年後見人等は、当該交付決定者の資産状況及び生活状況に変化があった場合は、速やかに村長に報告するものとする。
(成年後見人等の報酬に関する支援の中止)
第17条 村長は、交付決定者が次の各号のいずれかに該当するときは、成年後見人等の報酬に関する支援を中止する。
(1) 死亡したとき。
(2) 後見開始等の審判が取り消されたとき。
(3) 第7条に掲げる要件を満たさなくなったとき。
2 村長は、成年被後見人等の資産状況若しくは生活状況の変化により助成の理由が著しく変化したときは、助成の金額を変更することができる。
(助成金の返還)
第18条 村長は、交付決定者が虚偽の申請その他不正な手段により助成金の交付を受けたときは、既に支給した助成金の全部又は一部の返還を命ずるものとする。
(補則)
第19条 この要綱に定めるもののほか、事業の実施に関し必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この要綱は、令和3年3月1日から施行する。